かわいい絵柄ながらも深い話も多い作品です。
概要
基本ストーリー
リリエンタールと悪の組織との対立というシンプルなのですが、各話の中にキャラたちの心情が深く描写されています。
リリエンタールのまっすぐの優しさ、各キャラのさりげない優しさや思いやりが描かれています。
好きな作品です
個人的には大好きな作品でジャンプで連載中はアンケートはがきを書いて出してました。
小中学生の頃、懸賞目あてでアンケートを出してた事はありますが、作品が好きでアンケートはがきを出したことがあるのはリリエンタールだけです。
でも残念
そんな甲斐もなく残念ながら打ち切りになってしまい、わずか4巻の作品になってしまいました。
もっとリリエンタールの物語を見たかったんで残念でなりません。
絵柄が低年齢向けな雰囲気なのですが、内容的には深い話が多く低年齢向きとは言えないと思います。
絵柄と内容のミスマッチがあったのかもしれません。
個人的評価
読み手を選んでしまう作品かもしれませんが、
合う人には大変面白く読める作品であるかと思います。
以下、雑談的考察
日野家のお父さんとお母さんは?
両親とも科学者で同じ施設で働いていそうな雰囲気です。
お父さんは多少ながら出てましたが、お母さんはほとんど出番がありませんでした。
ボスの発言から、組織はRD-0を強奪し、RD-1(リリエンタール)も追っていたことがわかります。
RD-1は、組織に追われていることを察知した研究所がカモフラージュの為に、RD-1を生命体に姿を変えさせ、それがリリエンタールになった。
そのリリエンタールを保護してた研究所に両親が勤めていたことが推測されます。
その研究所に組織が踏み込みますが、奪われる前にRD-1(リリエンタール)を日野家(兄・てつこ)に託しています。
第一話の手紙でリリエンタールを託した以降の両親の動向は全くの不明です。
もし仮に組織から逃げ切れたのであれば、日野家とコンタクトを取らないのが不自然なので、死んでしまったか監禁されてる可能性は高いかもしれません。
組織に監禁されてたにしても、事件解決の半年後の てつこの卒業でも両親の動向が全く見られないので、死亡説が濃厚になってしまいます。
もしかしたら『兄とてつこならほっといても大丈夫だから、僕ら(父母)はやらなきゃいけないことをやろう!』的な事情かもしれません。
まったく作中に表現されてないだけでコンタクトやらなにやらあったかもしれません。
実際はどうなんですかね~?
両親がそろった日野家の姿を見てみたかったのですが、残念ながら作中では見れませんでした。
影の主人公ともいうべきてつこ
リリエンタールが主人公ですが、てつこの心情も深く描かれており、リリエンタールのもう一人の主人公と言っても差し支えないと思います。
コミック書き下ろしのエピローグも、てつこがトラウマを克服するストーリーが描かれています。
序盤では「普通」に対して固執を見せます。
その原因は過去の失敗により、周りから「変」と思われることに対して、異常な恐怖心(トラウマ)を感じるようになってしまったためと思われます。
そして「変」な存在のリリエンタールを拒絶しますが、共に過ごし絆を深めていきます。
エピローグでなぜ てつこは笑った(笑えた)のか?
てつこは自分自身を“殴りたい”を通り越して“消したい(殺したい)”とまで自分自身のことを思っていた節があります。(あんこくまじんでのエピソードより)
今までのてつこは「変」なことをするリリエンタールを拒絶する立場にいました。
「変」なリリエンタールを受け入れることができなかったためでしょう。
でも、「変」なリリエンタールを見て笑うことができた。
「変」なリリエンタールを受け入れ、ひいては自分自身をも受け入れることができた瞬間だと思います。
てつこ視点でリリエンタールを読み進めていくとまた新たな発見があってよいかもしれません。
リリエンタールの闇
幅広い意味で使われる”やさしい世界”というネットスラングがありますが、今回は「誰も傷つかなくてもいい世界=やさしい世界」という意味で使わせてもらいます。
基本的にはリリエンタールの世界観はやさしい世界と言えるんですが、ちょっと間違ったら死んでもおかしくない目にあってるキャラはいます。
- アキラが深海に投げ出されそうになったり、『血も涙もない虎』に食べられそうなったり・・・
- てつこが、自身の分身である”あんこくまじん”に消され(殺され)そうになってたり・・・
- 組織のボスが消滅していたり・・・(組織のボスが消滅するのはまだ『RD-0の力が無くなってしまったため、本来の寿命が尽きていたため消滅した。』と解釈できないこともないんですが。)
- 上記でも触れてますが、日野家の父母の音沙汰が全くない。(組織に消された疑惑に繋がる。)
上記のまだグレーと言えます。
マリーは黒と言わざるを得ない。
作中でも触れられてますが、
マリーが原因で人が死んでいるのは確実です。しかも複数人。
個人的にはマリーに罪があるとは思いませんし、どちらかと言えば被害者であるとは思いますが、マリーが原因で死んでしまった人々のことを考えると悩ましい所だったりもします。
しかしながら
マリーが連れてきた人々は、同じ海域で遭難した人だけだと解釈できる。
遭難した人なのでマリーによって連れて行かれたことが致命的な死因ではない。
よって、マリーは悪くない!
完全無罪が証明された。(^-^)b
リリエンタールは完全体になった?
RD-0がボロボロになり消滅したかに思われますが、消滅した際にリリエンタールのしっぽが黒くなりました。
リリエンタールにRD-0的要素が取り込まれたと言えるかもしれませんが、別段しっぽ以外の変化はなさそうな感じ。
コミックの最後のコマではリリエンタールのRD-1と刻まれた首輪が外れているシーンで終わっています。
さて。これの意味するところは?
Realize Device (RD 現実化装置) として使命を終えて、普通のしゃべる犬(?!!)として生まれ変わったこと表しているのかもしれません。
全然違う意味が込められているかもしれませんし、そもそも意味なんてないのかもしれない。
リリエンタールの世界観は色々と考えることもできるので楽しいです。
最後に
さて、本当はもっと書きたいこともあったんですが、長くなりすぎてしまうのでここら辺にします。
十分長くなってしまいましたね。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。
リリエンタールに少しでも興味を持ってくれた方は、是非とも読んでみることをお勧めいたします。
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